教師と子どもの相互成長:引継ぎ

1年間の学級運営を振り返ると、子どもたちの成長に寄り添う中で、教師である私自身もまた多くを学び、成長してきたことを実感します。教育は、教える側と学ぶ側の一方的な関係ではなく、相互に影響を与え合う循環の中で成立します。子どもたちが「できること」を増やし、新しいことに挑戦する姿を見る中で、教師自身もまた気づきを得て、それを教育実践に還元するという繰り返しが続いていきます。この1年で得た経験や学びを次年度にどうつなげていくかを考えながら、振り返りの中で見えてきた未来への指針をまとめていきます。


私は1年生を受け持つ際に、子どもたちに次の3つのことを常に伝えています。
「時間を守ろう」「誰かを傷つけることはしないようにしよう」「モノを大切に使おう」
この三つの目標は、10年後、16歳となった子どもたちが仲間と笑い合いながら、受験という大きな課題に直面する際に、より良い形で乗り越えられるようにという願いを込めて設定しました。これは、子どもたちの未来を見据え、「そのために今、1年生として何ができるようになるべきか」を模索しながら考えた結果でもあります。

たとえば「時間を守る」ということは、日常生活の基本であり、誰かと協力して目標を達成するための第一歩です。朝の準備や授業の切り替え、さらには掃除や給食当番といった日常の中で、時間を守ることの重要性を具体的な行動として学んでもらっています。この積み重ねが、将来社会で自立し、他者と共に生きる力へとつながると信じています。

また、「誰かを傷つけることはしないようにしよう」という目標は、言葉や行動が持つ影響について学ぶ場面で繰り返し伝えています。特に、グループ活動や話し合いの場では、「相手の意見を尊重すること」や「感謝や思いやりを伝えること」の大切さを子どもたちとともに考えるよう心掛けています。ある子が「ありがとう」と友だちに伝えた瞬間や、困っている子をさりげなく助けた場面を見るたびに、こうした日々の指導が少しずつ形になっていることを感じます。

そして、「モノを大切に使おう」という目標は、物の扱い方を通じて、責任感や感謝の気持ちを育むために大切にしている指導です。たとえば、図工の時間や給食準備では、「道具を最後まで丁寧に使うこと」や「食べ物を無駄にしないこと」を具体的な例として伝えています。子どもたちが「ハサミを貸してくれてありがとう」「残さず食べられた!」と喜ぶ姿は、この目標が彼らの日常に浸透している証拠だと感じます。


こうした日々の積み重ねが、子どもたちの大きな成長へと繋がっていきます。今年度も、日常生活の中での小さな積み重ねを通じて、子どもたちは大きな変化を見せてくれました。たとえば掃除の時間には、初めは教師の指示を待っていた子どもたちが、自ら「ここをきれいにしよう」と動き始め、クラス全体で協力して進める姿が見られるようになりました。また、給食当番では「食べ物を落としてしまった」と焦る子に対して、「大丈夫だよ、一緒にやろう」と声をかける場面もありました。こうした行動は、子どもたちが「自分だけでなく、みんなで」と考える力を育んでいる証拠です。


1年生という学年は、小学校生活の土台を築く重要な時期です。だからこそ、私はこの3つの目標を掲げ、それを実現するための場面を日々の生活や学びの中に意図的に作っています。それは単なる目先の行動を変えるためではなく、10年後の未来に向けた力を育てるための取り組みです。16歳となった子どもたちが仲間と支え合い、笑顔で目の前の課題を乗り越えられるよう、私は今できることを全力で行っています。


また、こうした目標を達成する過程で、子どもたちは自分たちが作り上げる「学びの場」そのものを楽しむようにもなりました。お楽しみ会の運営では、企画から準備、実施に至るまで、子どもたちが主体的に動き、仲間と協力する姿が見られました。最初は「どうすればいいのか分からない」と戸惑いの声もありましたが、話し合いを重ねる中で自分たちの役割を見つけ、全員で取り組むことで達成感を共有することができました。このような経験は、単なる「楽しい時間」を超えて、子どもたちにとって重要な学びの場となりました。


1年間を通じて、私は子どもたちから多くを学びました。日常の中で彼らが見せてくれる優しさや思いやり、自発的な行動は、教師としての私に新たな視点や気づきを与えてくれます。子どもたちの成長を支える中で、私自身もまた成長していることを強く感じます。


次年度に向けて、今年度の経験をどのように活かすかを考えると、子どもたちの「協力する力」や「主体的に学ぶ力」をさらに引き出す活動を増やしていきたいと思います。また、一人ひとりの個性や強みを見つけ、それを伸ばすための指導にも力を入れたいと考えています。子どもたちが「自分らしさ」を発揮しながら成長できる場を提供することが、私の目標です。


最終的に目指すのは、子どもたちが「自分で考え、自分で行動し、自分で結果を受け止める」力を身につけることです。それは小学校という小さな社会で培われる力であり、将来彼らが社会で自立し、仲間とともに生きていくための基盤となります。この1年の学びを糧に、次年度も子どもたちとともに新しい挑戦を迎えられることを心から楽しみにしています。教育とは、未来を育む仕事です。私はその未来に少しでも貢献できるよう、子どもたちの可能性を信じ、全力でサポートし続けていきます。

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